主人公の度胸と語り口の面白さが魅力的な大阪を舞台にしたミステリー【大阪ウェットランド】(服部倫)

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 主人公が東京から大阪にやってきたドラマー、知り合いがレズビアンの超美人キックボクサーに、いかにも外国人にしか見えませんというボカロプロデューサーなど、なかなかクセ強い人物達ですし、敵も半グレや反社という突拍子もなさそうな話なのに、主人公の語り口の面白さでぐいぐい引き込まれていく作品。

 最後に得るのは笑いなのか、それとも深い何かなのか…

大阪ウェットランド

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①あらすじ

 大阪在住で売れないドラマーの「俺」は、柄の悪い男たちにからまれていた男子中学生・晴斗を助け、交流が始まる。

 しかし建設会社に勤める晴斗の父が謎の大金を残して死亡。そこから何故か、メガソーラー建設工事利権の闇に蠢くヤクザ、半グレ、さらにはいかがわしい刑事からにも目を付けられ始める。

 「俺」は個性豊かな仲間たちと共に真相を探ろうとするが……。しかし、いかんせん「俺」は別に喧嘩に強いワケでもない。探偵でもない。

 稀少な生物が棲息する大阪府北部の湿地(ウェットランド)周辺の開発を遠景に、魅力的なキャラクターたちが「ガッツ!」で危機に立ち向かう!

※Amazonの紹介ページより抜粋しております。

②読んだきっかけ

 いつものごとく店頭の新刊コーナーで積まれていたのを見て。

 外出先の待ち時間で書店に寄ったら、偶然、面白そうなタイトルを見つけてしまったのが始まり。

 また、タイトルに大阪という文字が入ってるだけで、大阪を舞台にしていることがわかるような本だなと思って興味がでました。

 なんでウェットなの?というのはよくわかりませんでしたが、

 潤ってるなぁ~

 くらいの気持ちで興味をもちました。

③感想・レビュー

①関西人でもない主人公の語り口の面白さ

 ドラマーで東京から大阪へきた主人公。

 本作品では主人公視点で描かれるのですが、喧嘩に強いわけでもないのですが、反社、やくざ相手に常に軽口を叩けるだけの度胸が伝わってくる作品。

 主人公視点は常に標準語なのに、「笑い」という意味では大阪人顔負けなきがするくらいに面白い。

 ピンチの場面なはずなのに、その状況でそこまで軽口をたたけるの?と思った読者は少なくないだろうと思いつつも、私なんか絶対にこんな場面で主人公みたいな振る舞いは無理!!って思いますけど、その窮地に立ったときの主人公のKYな発言と勇気は、読んでいる私も大いに笑い、勇気づけられた作品だったなと思います。

②タイトルを確かに回収するけども…

 主人公がクセ強めの関西在住、関東人、その他の登場人物もレズビアンな美人キックボクサーに、院卒ボカロPなど面白キャラクターだらけの本作品。

 物語に身をゆだねていれば全く問題ない作品であることは間違いないのですが、どうしても、

 タイトルの「ウェットランド」って何?

 っていうのがあって、そのウェットランドは確かに出てくるのですが、ウェットランドってそんなんでええのんか?と思うくらいに、タイトルのウェットランドについては、若干薄味かな?という印象。

 ミステリーっぽい要素もある本作品。

 誘拐されかけた少年を冒頭で助けて、反社ややくざに目を付けられる主人公達。

 苦難もあるのですが、なんでウエットランド?というところは冷静に思うと、そこまで大したことはなかったなと思うのが本音。

 ただし、そんなことに気が付いたのは読み終えて、今、感想を書いている本作品の個人的に思う弱点的なことをとふと思ったときに、


 そういえば、こいつらなんで危険な目に遭ってたの?

 というのがあって、それがちょっと弱いかなぁというのは確かにありました。

 逆に言えば、今、弱点をひねり出して気が付く程度の弱点で、それが気にならないくらいある意味パワフルな作品だったなと思います。

 弱点が気にならないくらいのパワフルな作品。是非堪能していただきたいと思います。

④こんな方にオススメ

 ミステリーっぽいけど、そんなミステリーなんて気にしないぜ、むしろミステリーだと忘れるくらいにパワフルなものを読みたい!!という方に特におすすめしたいです。

 おなかを抱えて笑いながら、主人公たちから勇気をもらえる作品です。


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