①あらすじ
大学の先輩後輩、江戸川乱歩と杉原千畝。
まだ何者でもない青年だったが、夢だけはあった。
希望と不安を抱え、浅草の猥雑な路地を歩き語り合い、それぞれの道へ別れていく……。
若き横溝正史や巨頭松岡洋右と出会い、新しい歴史を作り、互いの人生が交差しつつ感動の最終章へ。「真の友人はあなただけでしたよ」
※Amazonの商品ページより抜粋しております。
②読んだきっかけ
もともと、杉原千畝が好きな私。
書店でたまたまタイトルが目に入って、
千畝?杉原千畝?
と、なり、タイトルに乱歩とあって、どういうことなの?江戸川乱歩と杉原千畝って知り合いだったの?と。
そして、帯の推薦文を書いているのが門井慶喜先生。
先日、私が読んだ『札幌誕生』の作者先生で、これも面白かったなと思いながら、推薦文がその門井先生。
もう、読むしかないなと思いながら、そっと本をもってレジに走りました。
③感想・レビュー
まず、本作品ですが、杉原千畝と江戸川乱歩が出会っていて、親友だったという事実はないとのことです。
同じ早稲田大学出身はそうなのですが、この2人が知り合いだったかとういと、想像の世界で、まさにIFストーリー。
しかし、本作を読んでいて、まず思うのは
本当にIFなのだろうか?
そう思うほどに、現実に2人は出会って親友だったのではないか?いや、そうだったら本当に良かったと思うほどに、2人の関係が良かったなと思います。
特に、私が杉原千畝を好きになったエピソードの「命のビザ」のくだりに乱歩が絡むとより好きな話に話になって、最後のページに辿り着いた時は泣いてしまいました。
そして、読後にはこう思いました。
なんで、神様はこの2人を出会わせなかったのか?
と。
千畝目的で読んだ私が、江戸川乱歩を好きになりました。
江戸川乱歩は明智小五郎などの探偵を生み出す作家で、杉原千畝は外交官という日本のスパイみたいなもので、探偵みたいなことをしていた人という点で、こういうところでこの2人が対比されているのだなと思うと、作者の視点の凄さに恐れ入ったなと思いつつ、この2人をここまで魅力的に書きあげた作者には感謝しかありません。
本当に良い作品をありがとうございました
と。
何度も書きますが、この2人が親友どころか歴史的にはであってさえおらず、全く別の道を歩んだ2人でしたし、本作品の中でも道は交わることはない2人でした。しかし、私の中では2人が一緒に時代を駆け抜けた姿が見える。たまにお互いの道を確認しながら時にはいがみ合い、時には笑い合って。
そんなことを想像すると、不思議と私の方も嬉しく思えるそんな作品だったなと思いました。
乱歩と千畝の出会いに乾杯。
④こんな方にオススメ
・乱歩もしくは千畝、あるいは両方が好きな方
・命のビザの下りを読んで感動したい方
・歴史って物語ですねぇとしみじみ思いたい方
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