現代のアダムとイヴなミステリー【あの日、タワマンで君と】(森晶麿)の感想・レビュー

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①あらすじ

 山下創一は配達員をしながら日々を食いつないでいる。

 ある日、高級レストランから料理を届ける仕事が入った。依頼人は六本木でもっとも高いタワーマンションの最上階に住む多和田という男で、創一が到着すると、強引に部屋に上がらせた。戸惑う創一だったが、窓の外に広がる地上47階の景色に心を奪われてしまう。

 さらに、そこに現れた人物に驚く。

 それは高校時代、密かに想いを寄せていた静香だった。

 リビングに入ってきた女は「玲良」と名乗り、多和田は自分の婚約者だと紹介した――。

 配達員の登録番号「4443番」にちなみ「ヨミ」と名付けられた創一は、金を持て余している多和田の享楽的で奔放な言動に振り回されながらも、誘われるままタワマンに通う。

 やがて玲良との距離も縮まりだしたころ、多和田は唐突にヨミと自分の「入れ替わり」を提案した。

 この暮らしを、この景色を自分のものにできるならと交換生活を受けいれたヨミに、多和田は告げる。

 「約束してくれ。このタワマンから絶対に一歩も出ないこと」。そして、三人の関係は大きく歪み始めるのだった。

 彼らのあいだに隠された秘密とは? 太陽にもっとも近い虚飾の密室で起きる恋愛ミステリ。

②読んだきっかけ

 XのTLでなにかと話題になっていた本作品。

 TLで見かけない日はなかったなと思いながら、タイトルというより、恋愛×タワマンのミステリーだと帯に書いているのをみて、これは見つけたら買って読もうと思っておりました。

 書店で見つけた時は、これはここで購入しないと大分先まで読まないなと感じたので、優先的に購入いたしました。

 恋愛×タワマン(大事なことなので2回目)って、響きよくないですか?

③感想・レビュー

 読んでいて、はじめから何か嫌な気分にさせる、タワマンセレブの多和田。

 もしかすると、格差がある上に金持ち、セレブにあまりよいイメージを持っていないせいか、このキャラたちがとにかく嫌。

 ただ、読み進めていくと、タワマンの多和田、大分訳ありな人間っぽいし、婚約者の玲良も何かよくわからない。

 もっと読み続けると、主人公の創一もセレブ気取りになったのか、出てくる登場人物たちがとにかく嫌な奴に見えて仕方ない。

 イヤミスの定義として合っているかわからないのですが、いろんな意味で終始嫌な感じで話が進むので、若干精神的に疲れて、読み進めるのに苦労しました。

 とはいえ、セレブの生活が羨ましいなとか、こういうずっとじゃなくてよいからやりたいなと感じてしまうところもあり、本作品のタワマンでの生活は「現代の楽園」と言っても良いものだなと感じました。

 そして、タワマンでの暮らしが楽園だということに気が付くと、タワマンの最上階で無限の金が湧く生活に男と女が2人きりで生活をする。しかも、主は一歩も外に出てはいけないというシチュエーション。

 これ、アダムとイヴじゃね?

 そんな風に思うと、ルールを破ったあとの楽園はどうなるのか?

 それを恋愛とミステリー仕掛けにしているのだなと感じた読後でした。

 ちなみに、ミステリー部分がどうだったかって?

 もちろん、余裕で騙されました(笑)

 完膚なきまでにやられたということをここにお伝えしておきます。

④こんな人にオススメ

・恋愛?タワマン?ミステリー?という単語でどんな作品?と思われた方
・イヤミス?嫌な気分にさせられるミステリーでしょ?な方
・タワマン最上階に住んでいて無限に湧き出る金がある生活を楽園と思える方


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