バレーシューズを鍋で煮こんで食べる話を読んでいたはずなのだが…【サンクトペテルブルクの鍋】(坂崎かおる)の感想・レビュー

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①あらすじ

 日本文学の冒険はじまる

 男たちの眼前で、トウシューズが煮えていく。靴の主は、マリー・タリオーニ。

 十九世紀を代表する、ヨーロッパの名ダンサーである。

 その伝説の靴を、愛好家たちは競り落とし――食べようとしていた。
 
 えっ、本当に食べるの? 鍋をのぞき込みながら、牽制し合う男たち。

 ぐつぐつ、ぐつぐつ。

 気づくと中には、ピョートル一世、井上保三郎、高崎の観音像、そして令和の大学生まで。洋の東西、過去現在を超えた食材が投げ込まれていた――。

※Amazonの商品ページより引用しております。

②読んだきっかけ

 『嘘つき姫』で単行本デビューを飾った坂崎先生。

 正直、何を書いているのかわからず、どこか奇譚っぽい話で、半分以上何を書いているかわからないけれども面白いという不思議な世界にいざなってくれたこともあり、注目しながら単行本が出るたびにストーカーのごとく追っかけている作家先生。

 今回もわけわからなくなるんだろうなと思いつつ、それでも私は読み続けてやるぞという謎の精神で今回も無事にレジに持っていくことができました。

 今年も健康に過ごせた証ということで、無事に過ごせた感謝を込めて。

③感想・レビュー

 あっ、ありのまま…ありのまま起こったことを話すぜ。

 人気バレーダンサーのトゥシューズを買って、それを鍋に放り込んで食べようとしている男たちが確かにいたんだ。

 ところが、なぜか、高崎愛に溢れるわ、メタいわで凄くいろんなものが闇鍋のごとく詰め込まれた鍋。

 濃いなぁ…いろんな意味で濃密だ

 読後に思ったのは

 ドラクエの今はなき呪文、パルプンテ

 おそらく良い効果を発揮したタイプの、いややまびこがこだましただけかもしれない…

 そんな感じの作品。

 ここに意味を求めてはいけない。でも意味を求めてしまう不思議な作品で、主人公の1人称の語り方は、太宰治の『人間失格』感はありつつ、いろいろと混ざっているというそんな作品。

 ページにして150ページ程度の作品のはずなのですが、脳に餌を与えているからから、少量読んだだけで満腹感が広がる感じ。

 2025年で一番いろんな意味で衝撃を受けたなぁと感じております。

 今、感想を書いていても、読んでいた時のあの面白いけどもどこか重たい感じを表現できているのか、私も停電している中で鍋に箸を突っ込んでいるような感覚になっていて、この作品の奇妙な面白さを伝えることに成功している自信は全くないのですが、

読後には不思議な満足感だけがなぜか残っている

 これだけはお伝えしたいと思います。

④こんな方にオススメ

・ザ・坂崎ワールドを体験したい方
・ドラクエの呪文と言えばパルプンテでしょ?な方
・普通の読書には飽きた方

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