①あらすじ
クラスの女子たちが、タイムカプセルを埋めたらしい。6年3組のぼくは、親友のシンイチとヨモヤとともに、遠くの煙突の麓にある公園まで自転車で行ってみることにした――「海の街の十二歳」
小学校教諭の岬と保育士の珊瑚。幼なじみの二人は休日に近くの海へドライブへ行った。渋滞にはまった帰り道、二人は光るスニーカーをはいた4歳くらいの子供が一人で歩いているのを見つけ――「岬と珊瑚」
高校の同級生・潮田の久しぶりのSNSを見ると、癌で闘病中とあり見舞いに訪れた波多野。数ヶ月後、潮田は亡くなり、奥さんのカナさんから、散骨につきあってほしいと言われ――「鯨骨」
海の街にたゆたう人々の生の営みを、鮮やかに描き出した傑作小説集。書き下ろし1編を含む全7編。
※Amazonレビューのあらすじを抜粋しております
②読んだきっかけ
初読み作家様で、店頭に並べられているのを見た時に表紙が気になったので。
一人の男の子が背を向けて海を眺めている不思議な装丁がきになったため、どんな話だろうと読んでみました。
③感想・レビューらしいもの
海辺に住んでいる人々の短編集で、登場人物それぞれが人としてつながりがあったり、時間として繋がりがあったりで、あらすじにあるように登場人物それぞれのつながり、それらが溶け合っているのだなと感じる作品です。
良いことばかりではなく、どちらかというとそれぞれ悩みがあったり嫌なことがあったりしながら海辺の町で生活をしているのですが、短編ごとに登場人物たちはその後どうなったのかはわからず、余韻に浸る感じの作品になっています。
そして、読み進めていくごとにちょこちょこッとある短編では前に出てきた登場人物が出てきたりするので、そういえば登場人物のあの人どうなったんだろうとか、あの人またどこかで出てくるのかなと思いながら読めてワクワクしました。
決して、大笑いしたとか、特別なことが起きてワクワクするというお話ではないのですが、登場人物たちをただ見守りながら読み進めるだけで、心が温かくなるように感じるそんな作品だなと思いました。
登場人物は海に浮かぶ島みたいなものなんだろうなと思うくらいにそれぞれ独立しているのですが、それらがほどよく溶け合っていくように感じる不思議な作品で、本作品はまさに海なんだろうなと思いました。
④こんな人にオススメ
・少し疲れて海でも眺めているような読書をしたい方
・読書して面白いというよりは温かい気持ちになりたいと思っている方
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