自由な少女が教えてくれる“自分らしさ”の本質とは?|【わたしはシュシュ、やりたいことしか、やっちゃだめ】(黒川裕子)の感想・レビュー

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 『わたしはシュシュ、やりたいことしか、やっちゃだめ』(黒川裕子)は、小学6年生の“自由で一本気な少女”シュシュとシュシュにかかわるクラスメイト達の6年生の1年間の日常を描いた作品です。

 周囲の目線やルールに縛られず、思いついたことをどんどんやっていくシュシュの姿は、読む人の「自分らしく生きたい」という気持ちを刺激します。子ども向けの物語と思いきや、大人が読んでも考えさせられる“自分らしさ”の本です。

①あらすじ

 小学六年生のワルイコたちの、最高にファッショナブルな一年間の物語。

 奇抜なファッションと行動で周囲を巻きこむ少女、シュシュ。

 友人や先生は、シュシュと過ごす時間の中で、自分だけの「こだわり」に気づきます。

※Amazonの商品ページより引用しております。

②読んだきっかけ

 『四界物語』を2024年に読んで以来、そういえば全然児童書ってあまり読まないよなぁ私と思ってから、定期的に作者が本を出版していると知り、読んでみようと思ってはや一年(児童書コーナーに置かれている本で追いかけているのがティリー・ページスシリーズなど少ないし、あんまり児童書のコーナーに寄る機会はないため)、『チャリを盗んで、夜明け』が夏に発売されて以来、今年2冊目の児童書を読むきっかけをいただきました。

 それにしても、チャリは、尾崎豊の歌詞みたいなタイトルだなと思ってましたが、今回は

 わたしメリー、今あなたのすぐ後ろにいるの

 みたいなタイトルだなと思いつつ、どちらかというと表紙の絵柄が普段購入して読む絵柄ではないなと戸惑いつつ(多分、Xで作者が宣伝してなかったら、手に取ることはおそらくなかったであろうと思います)、むしろ、普段絶対に手に取らないであろうと思う本を購入して読むからこそ面白いと思う私にはうってつけだと思いながら、読んでみました。

③感想・レビュー

 本当に自分がやりたいことをやるという感じの小学6年生のシュシュ(ただ、やりたいことは授業中ではなくて休憩時間でやったり、食べ物を粗末にしてはいけないなど最低限の分別はある子だと思う…)。

 このやりたいこと思いついたままとことんやる瞬発力、そして結構すぐに飽きたりする感じ、なにより周りを巻き込んでいって認められることによってより自由になっていくヒロイン…

 『成瀬は天下を取りにいく』シリーズの成瀬あかり

 みたいなのが出てきたなと思いました(はじめに断っておきますが、成瀬シリーズと本作品は別物です。作者が成瀬をパクったとかそういうことはあり得ないと思っています。万が一そういう認識されたら嫌なのであえて書きます)。

 そして、言いたいことも言えないこんな世の中じゃポイズンみたいな世の中。周りの目を気にせずやりたいようにやるのことは、他人とは違うと受け入れてもらえない可能性もあるし、仲間外れになるという恐怖、最悪イジメられるかもなんて思うわけで、結構勇気あることだと思うのは昭和生まれで平成に小学校6年生だった私にも身に覚えがあるなと感じること。

 そもそも他人と違う=集団行動ができない子みたいな形で、先生に怒られたり、矯正されたり、親が呼び出されたりだったなと思います。

 そう思うと本当の個性の発揮の場は集団行動ができて初めて発揮できるという教育を受けてきていたのかなと思います。

 しかし、先ほどあげた成瀬あかりを筆頭に、本作品のヒロインであるシュシュもそうなのですが、集団行動云々どころか、思ったら他人をそっちのけで即行動みたいな行動力お化けなタイプのヒロインは今あげた集団の中での自由とは真逆をいくタイプのヒロイン。

 他人の目を気にせずのびのびとなんでもやれるということは正直、羨ましい存在だなと思ううえに、好き放題しているのに周りがそれを認めてくれること=最強の自由だといえるわけです。

 集団内という枠に捕らわれない自由こそ、まさに最強、否、無限に広がる自由という意味ではチートと言っても過言ではないかもしれません。

 本作品も、自由すぎるシュシュに振り回されるクラスメイトが彼女を認めていくことで自分らしさに気づくし、自分らしさに気づいたクラスメイトがシュシュを認めて、よりシュシュの自由が認められるという構図になっているのではないかと思いました。

 そういう意味では、今の無敵ヒロインらしい少女が描かれているのだろうなと思います。


 もちろん、そういういわゆる無敵すぎるヒロインみたいな破天荒な子供と仲良くすることを大人たちは嫌うだろうし、友達の輪から外されるかもしれない。

 でも、大人になって思うのは、当時は変な奴とは関わりたくないと思ったし、そういう子と遊んでると思われて仲間外れにされるのが嫌だと思っていたりしてましたけども、今となればそういう面白そうな子と友達で遊んでいれば、小学校6年生はもっと楽しかったんじゃないか?と思いました。

 そして、花の塚小学校6年1組の1年間を通じて、自分自身の小学校時代を思い出しては懐かしむなんていうこと、こういう作品を読まないと機会がないと思うので、私にとっては小学校6年生の自分に会いにいく物語でもあったなと思いました。

④こんな方にオススメ

・自分らしさを考えたい方
・周囲の目を気にしがちな方
・花の塚小学校6年1組を通して小学生時代の自分と出会いたい方

特に自分らしさに悩んでいる方に読んでほしい作品です。

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