①あらすじ
山奥で、顔を潰され、歯を抜かれ、手首から先を切り落とされた死体が発見された。不審者の目撃情報があるにもかかわらず、警察の対応が不十分だという投書がなされた直後、上層部がピリピリしている最中の出来事だった。
事件報道後、生活安全課に一人の小学生男子が訪れ、死体は「自分のお父さんかもしれない」と言う。彼の父親は十年前に失踪し、失踪宣告を受けていた。
間を置かず新たな殺人事件の発生が判明し、それを切っ掛けに最初の死体の身元も判明。それは、男の子の父親ではなかった。顔を潰された死体は前科のある探偵で、依頼人の弱みを握っては脅迫を繰り返し、恨みを買っていた男だった。
※Amazonの商品ページより抜粋しております。
②読んだきっかけ
発売前にXで出版社から宣伝されていた本作品。
帯の米澤穂信先生がガッツポーズと書いているのをみてどういうこと?となり、興味をもっていました。
櫻田智也先生の名前をみて、あれ?どこかで読んだことがあるような…でも、ここ2年くらいで読んだ記憶はないなぁと思って、読書記録を辿ると2021年の1月に『蝉かえる』を読んでいたらしく、
ああ!あの蝉とか食べる人が出てくるミステリーの!
となり、あれ?でも今回長編小説初?でも私、『蝉かえる』は単行本で読んだようなと思っていたら、なるほど確かに短編集だったわと思い出しました。
ということは昆虫とか出てくるのか?と思ったのは内緒です。
③感想・レビュー
まず、ネタバレですが昆虫はでてきません(笑)
顔をつぶされて身元が分からなくなった死体が発見されるところから始まるのですが、読者ならこの段階で思うはずです。
なぜ?顔を潰したのか、歯を抜いたのか、わざわざ切断までしたのか?身元が分からないようにする理由は何なのか?
このなぜ?が読み進めるとどんどん増殖していきます。
気が付いたらここもなぜ?それもなんで?なんのために?
と。
出だしはそんなにややこしい事件とも思えず、トリックが隠されているとかそういう気配もない普通の死体遺棄殺人事件なはずで、どうも恨まれていたらしい被害者が殺害されたらしいというある意味、殺人事件にしては世間一般ではありきたりな事件なはず(物騒ですが、テレビのニュースで死体遺棄事件とかで割と普通に報道されるような内容だと思います)なのに、そのなぜが止まらないという不思議なミステリーだったなと思います。
そして、オススメは帯を読まずに読むことです。
私は、この本に興味を持った時が帯を読んでからだったので、読むきっかけになったというのは否定しませんが、読後に真っ先に思ったのは
帯の文言はいらんかったなぁ…
でした。
ですので、私は、敢えて、帯の内容も触れず、本作品を読む時は帯を読まずに読むことをオススメしたいと思います。
誰が犯人なのか?というよりも、なぜ?が増殖していくホワイダニットで、最後はこういう風に着地させるのかと読後は心地よくなった作品でした。
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