①あらすじ
この町には、死者を蘇生させる秘術があるんだよ――。
生まれも育ちもここ信津(しなづ)町の、健康(たけやす)・昇太・由佳里は、町を支配する信津寺の住職で、悪辣非道な町内会長の権造を殺害することを決意する。
酒に酔わせて風呂に沈めて、大成功!のはずだったのに……。
なぜか翌朝、ラジオ体操にピンピン元気な権造が。
「誰だよ! せっかく殺したクソジジイを勝手に生き返らせたのは!?」殺人犯が蘇生犯を追う、痛快なユーモアメタミステリーの超傑作、爆誕。
※Amazon商品紹介ページより抜粋しております。
②読んだきっかけ
XのTLで新潮文庫のレーベルから、新刊としてこのタイトルの表紙が出てきて、気になった本作品。
死者が蘇生?どういうこと?となるし、なんで殺人犯が蘇生した人間を追うのか?とタイトルや帯から謎が謎を呼び、想像がいろいろと膨らんでしまった本作品。
店頭で見かけたら、絶対に購入するだろうなとはもともとから思っていましたけども…
思った以上に、表紙の破壊力が凄かったなぁと。特にクソジジイと言われているであろう、お坊さんのキレっぷりはなかなか強烈で、つい買ってしまいました(笑)
③感想・レビュー
読んでいて驚いたのは、作者に失礼なのは承知なのですが、
まともなミステリー
ということ。
語り手の主人公健康(タケヤス)の面白さはあるし、正直、そこまで殺したいという動機があるとは思えないものの、ミステリーとして、蘇生の秘術という謎、なぜわざわざ生き返らせたのかなどなど、ありえないことなのに、謎解きを存分に味わえる作品だなと思います。
特に、死者を生き返らせる秘術のルーツとか秘術の発動方法やルールなどなかなかにしっかりと作られているなという印象で、この秘術、じゃあ、だれが何のために?というところも興味をそそる内容だったなと思います。
そんなに作り上げてたんだと。
ページも300ページ程度ですが、死者蘇生の秘術、探偵役の殺人犯である健康のコミカルさ、そして、なぜ死者を蘇生させたのかというホワイダニットも考えるのが楽しかったぁ~と思わせてくれるミステリーでした。
そして、最後は見事に作者に騙されました。犯人?いや蘇生させた人物は実は当たったのですが、そういうことなの!?と最後はなりましたとも、ええ…
敢えてどうかと思う点は、人の生死を軽く扱いすぎているというのか…。そらミステリーで人が死ぬこと前提の蘇生事件ですし、人がトリックのために簡単に殺せるのがミステリーだというジャンルだと思うと、何をいまさら?となるものの、読んでいて、軽いなぁと思いました。
とはいえ、面白いなぁと感じた時間を過ごさせてくれた作品だと思います。
④こんな方にオススメ
・特殊ミステリーを楽しめる方
・蘇生?どういうこと?と気になった方
・表紙の坊主がぶちぎれで気になった方
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