①あらすじ
宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。
厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。
二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。
待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。
代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。
花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。
ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづけた。
※Amazonの商品レビューより転載しております
②読んだきっかけ
2022年の11月に単行本で読んだ本作品。本作品は私の2022年に読んだ作品で一番印象に残った作品で、今でも大切にしている作品。また、私が町田そのこ作品と出会った作品でもあります。
文庫化するとは聞いていたものの、単行本持ってるし良いかと思ったのですが、たまたま文庫を手に取ったら、解説が寺地はるな先生とか、単行本にはついてない特典付きということで、目がくらんで購入。
買った以上、全部読むぜ精神で読みました。
③感想・レビュー
まず、文庫版ですが、単行本を初版で買っていない方は読めない、「掌編」が収録されております。
本作品が好きな方は、必読だと思いますので、是非、読んでほしいと思います。
再読ということで、思わぬネタバレをしてしまうかもしれませんが、なるべくネタバレなしで書きたいと思います。
(↓宙ごはん初読みの感想はこちら)
初読は、家族に完璧な形はなく、それぞれの家族の形があって、家族はそれぞれ成長していく話だと思っていた本作品。
再読して、登場人物たちがどうなるかを知って読むと、また全然違った顔を見せる作品だなと思います。
本作品、再読ですが、第一章と第二章は、親が子供にこんなことを思わせるんじゃないよと思うほどにしんどい内容で、ここはなかなか読者にも読み進めるための試練を与えてくるよなぁと思います。
ただ、第一章、第二章を乗り越えてからがこの作品の真骨頂とでも言いますか、ここからが家族としての成長の物語だなと感じる作品だったのだなと思いました。
ただ、家族としての成長だけを描いているわけではなく、親から植えつけられた呪いみたいなものがあって、その呪いが解けるまでから解けた後というのも描かれている作品だなと思う作品だったし、家族と温かいご飯を一緒に食べることの幸せ感を教えてくれたのも今回の再読だったなと思います。
作中に出てくるごはんがおいしそうだなぁと思ったのが初読みの時でしたが、今、家族と一緒にご飯を食べる時間、私は確保できているだろうか。そして、ごはん中に家族と会話したりして温かいご飯を食べることができているだろうか。
そう思うと、家族と一緒にご飯食べたい、もっと家族と一緒の時間を過ごしたい。一緒にいる家族が恋しくなるなと思いました。
そう思うと、本作品は家族の成長物語でもあるし、どんなにつらいことがあっても、一緒にご飯を食べて一緒に過ごす相手がいるということに気付ける作品でもあるのですが、宙やその生みの親である花野を通じて、自分の家族と自分の家族とどう過ごしたいのか、そんなことを考えさせてくれる作品だなと思いました。
仕事で忙しいとかいろんな理由で家族をないがしろにしていないかとか、もっと大切な人と大切な時間を過ごしたいなと思う作品で改めて、私は本作品が好きだ!!と思いました。
大切な人と大切な時間を過ごすことにあなたも気づく旅にでませんか?
④こんな方にオススメ
・宙ごはんの単行本の初版を読んでいない方
・家族とは何かを考えてみたい方
・大切な人との大切な時間の過ごし方を気づきたい方
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