【世界のすべて】(畑野智美)感想・レビュー

①あらすじ

 5年間勤めた会社を辞め、街の小さな喫茶店「ブルー」でアルバイトをする鳴海優輝。
心優しい啓介が営む「ブルー」には秘密を抱えた人々が集まってくる。
デザイナーの北村、高校2年生のヒナ……。
常連客の悩みに向き合う鳴海にも、周りに言えない想いがあった。

 ※Amazonの商品レビューより抜粋しております。

②読んだきっかけ

 初めて読む作家さんで、そういうときのいつものタイトル買い、帯買い、装丁(ジャケット)買いでございます。

 まずは帯の「みんなと違うことに悩むすべての人へ」というのが目に入り、そして喫茶店が舞台らしいという作品。

 サイン本で中をぱらっと見ることはできませんでしたが、サインに「ありがとうございます」という作者の感謝の言葉が書かれていて、それも気に入って読んでみたいと思いました。

③感想・レビュー

 LGBT

 この言葉が出てきたのはそんなに前ではなくつい最近。

 私の周りでは、同性愛やバイ、トランスジェンダーという方はいない、否、公表している人がいないのですが、テレビやネットでは話題になっている性の問題。

 このLGBTという言葉以上に多様性を受け入れようといわれることも多くなったかなと感じている今日この頃。

 本作品を読んで思うことは、この多様性という言葉は思った以上に人を縛り付ける言葉なのではないかと思いました。

 私がまだ小学生の頃、LGBTや多様性だという言葉はなく、男は男、女は女という性別の分け方で考えていたし、それ以外はオカマ、オナベと言われていました。

 その当時と今でいわゆる性的マイノリティーの方が今どんなふうな扱いを受けているのかはわかりません。

 ただ、本作品を読んでLGBTと分類される方々がカテゴリーとして増えて、LGBT以外の性的マイノリティにもなんらかの定義づけがなされていることを知り、自分はそうなんだと思ってい生きる。

 自分が何者なのかとわかった時に性的マイノリティなんだと思って(わかって)生きる、その胸の内を他人になかなか伝えることができない世界で。

 自分が性的マイノリティだとわかりやすくなった分、余計にそれに縛られて生きるなければならないと囚われやすくなるのか、性的マイノリティを胸の内に抱えて生きるということは息苦しいものを感じました。

 とはいえ、胸の内を明かせないにしても、分かり合える人同士で分かち合いながらたまたま性的マイノリティではない人たちと暮らしている。

 そして、たまたま私が性的マイノリティではなかったものの、私も人とは違うと思う何かを抱えて日々生きている。

 楽しいこともあれば、落ち込むくらいにしんどいこともある。

 他人と違うなと感じて苦しむこともあれば他人と違うことで嬉しいと感じることもある。

 そして、他人と違うことで嬉しい時は、他人と違っててよかった!と思うのに、他人と違うことで苦しむ時はなんで他人と違うのか?と自分を恨めしく思う。

 性的マイノリティと一緒にするんじゃないといわれるかもしれませんが、他人との違いに悩むことはおそらく私も同じ。それが性的なことではないだけで、あるいはその違いに名前がついていないだけで。

 そんなことに気が付かせてくれた作品でした。

④こんな方にオススメ

・性的マイノリティーという言葉に興味がある方
・多様性について考えてみたい方
・他人と自分は違うことに悩んでいる方

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