①あらすじ
暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルク空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの『ノルウェイの森』が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱し、動揺していた。限りない喪失と再生を描き新境地を拓いた長編小説。
※Amazonから抜粋しております
②読んだきっかけ
XのAIに
「私を小説に例えると」
という質問を流したところ、独特のユーモアを兼ね備えた『ノルウェイの森』(村上春樹)と回答があり、そういえば、『ノルウェイの森』を読んだことがなかったなと思い、私みたいな小説だと言われたら読んでみたいなと思い、読んでみました。なお、これだけ有名な村上春樹先生の作品で読んだことある作品は
・『国境の南、太陽の西』
・『アフターダーク』
・『1Q84』
の3作品のみ。翻訳は『グレートギャツビー』のみでございます。
そんな私の、感想レビューとなります。
③感想・レビュー
はじめはノルウェイの森なので、ノルウェーを舞台にしたお話かと思っていたら、タイトルはビートルズの『ノルウェイの森』だったというくらいの未読・知識なしの私の感想です。
まず、登場人物のクセが全員強め。主人公の僕ワタナベ含め、登場人物全員がなかなかパンチがきいているキャラクターで独特のユーモアで語ってきます。
また、理解しがたいというか性に関する内容も含め、おそらく世間一般では私が今書いている2025年1月現在でも「まともではない」ということが書かれているのではないかと思います。
そして、この作品のいわゆる何が言いたいかわからないといわれるストーリーは、おそらく作者としては何等か意図しているものはあるとは思いますが、その意図しているものを理解できるのかというと別の問題だなと思うほどに、内容はなかなか難解です。
では、私は、内容も理解できず、本作品は面白くなかったのか?と聞かれると、非常に面白かったという評価になります。
まず、文章が非常にシンプルで主人公のワタナベを通じて1960年代の彼(19歳~20歳)が生きた世界が容易に思い浮かぶというのが凄く心地よいなと思いました。
また、人を愛することや哀しみということが淡々とつづられているのですが、その淡々さの中に複雑さというものが伝わる内容です。
愛することと言っても、家族への愛もあれば、恋人への愛もあるし、同時に二人の女性を愛するということもある。それは恋愛かどうかは別として。
哀しみと言っても、その哀しみは何に対する哀しみなのか。その人を喪った哀しみなのか、その人を喪う前にやってあげたかったことをやれなかった哀しみなのか、あるいは両方か。
答えは一つでなく、矛盾すら抱えている人間という複雑さが描かれているように感じました。
本作品に対しては、本作品なりの答えを求めてしまうと物凄く難しく、本作品に対する答えは後日、そういえば『ノルウェイの森』でこんなこと書いてたなと思い出してある日ふと何かに気付くタイプの作品なのかなと思います。
作中でもあげられている『グレートギャツビー』や『キャッチャーインザライ』が意識されているような作品だなと感じることもあり、私は和製『グレートギャツビー』・『キャッチャーインザライ』だと思う、本作品。
何かを得るというよりは、その文章や表現を読んで純粋に物語を、言葉や表現を楽しむ作品だと思います。
④こんな人にオススメ
・何も考えず、ただ文章の綺麗さに身をゆだねて読書をしてみたい方
・クセ強登場人物、独特のユーモアを楽しめる方
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