再読しても成瀬は成瀬でした【成瀬は天下を取りにいく】(宮島未奈)の感想・レビュー

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①あらすじ

 2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。

 コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。

 M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。

 今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。 

※Amazonの紹介ページより抜粋しております。

②読んだきっかけ

 単行本で読んだし、わざわざ文庫本を購入する必要はないだろうと思っていた私。

 しかし、帯をみたら、特典収録つき。パラッとめくって解説しているのが、『夜は短し歩けよ乙女』などの著作があり、宮島先生の大学のOBにあたる森見登美彦先生。

 これは、再読するなら文庫版しか選択肢がない!!ということで、購入いたしました。

③感想・レビュー

 2年前に宮島先生が本作品でデビューした時に初版で読んで以来の(成瀬は)天下を取にいくの再読。

 去年の本屋大賞受賞時に、膳所を散歩した時に持っていったときは、パラパラと舞台になっている場所をピックアップしたのみだったので、今読み返すとどんな感想を抱くのか。

 ワクワクしながら読みました。

 まずは、2年前に1回だけ読んだだけなのに、一言一句言える、冒頭の1行目。

 ここ数年読書していますが、1行目のインパクトはおそらく本作品がナンバーワンだと思います。

 そして、この1行目に引き込まれたら、読むしかないですよね(笑)

 文章も読みやすく、誰でも読みやすいだろうなと思うので、気難しさもなく気楽に読めるというのが良いと思います。

 本作品の初読みの時は無敵すぎる成瀬あかりを見守る物語なんだろうなと思っていました。

 再読してみるとどうもそれだけではない。

 本作品は次巻の信じた道をゆくを含めて、成瀬視点で描かれるのは天下を取りにいくの最終章しかないし、その成瀬視点も、成瀬が成瀬であれた理由がわかる、種明かしみたいな章ですから、実は成瀬が自由に振る舞うことができるのは、各章の語り手である登場人物達のおかげだったんだなと思います。

 そして、成瀬あかりに関わった全ての登場人物たちも成瀬あかりによって自由になっていくという物語で、実は各章の登場人物達と成瀬あかりの関係はウインウインな関係にあったのだなと思いました。

 読めば読むほどに、ただ成瀬あかりを各登場人物視点からみて楽しくて元気をもらう作品というだけではなかった。

 そんな作品だったのだなと改めて思いました。

④こんな方にオススメ

・200歳まで生きる目標をもつ成瀬に興味のある方
・文庫本を機に再読してみたいなと思った方
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