①あらすじ
住宅街にたたずむ人気パティスリー「月と私」。
お店を切り盛りする内気な腕利きパティシエ・三田村糖花と、お菓子にまつわる魅力的なエッセンスを引き出し、物語としてストーリーテラーの語部九十九は両片想い。
ついに秘めた気持ちを告げた語部だが、なぜか糖花に避けられてしまう。
折しも梅雨時のチョコミントフェアで賑わうお店近辺に不審者が現れるという噂が…?
②読んだきっかけ
もともと『文学少女シリーズ』から追っかけていた野村美月先生の久しぶりなんじゃないか?と思うシリーズの作品、通称ツキワタシリーズ。
元々は単行本だったのをリニューアルしてシリーズになり、5巻目。累計10万部突破、おめでたいことです。
さて、全然読んだきっかけと全く関係ないのですが、野村先生の作品が出たらとりあえず読むという私には、書くことがこれくらいしかないほどに、本自体との出会いを語れるほどないということをお許しください。
③感想・レビュー
第4巻のネタバレにならずに(いや、アマゾンの商品紹介のあらすじがすでにネタバレな気もしなくもない…)感想を書くのがそろそろ難しくなってきたシリーズ第5巻。
語部と糖花の関係よりも、周りの恋愛模様のほうがどんどん気になっていく作品。
恋とスイーツは人間にとってはマジ大事
そう、何歳になってもな!!
ということを感じる巻だったなと思います。
学生時代なんて、恋愛ドラマに憧れたり、お付き合いしたいがゴールみたいなものがあって、お付き合いした異性とそのまま結婚、一生をともにするなんて理想とはいえ、大半の方がそんな状況にはなっていないと思います。
そう思うと、意中の異性となんとかお付き合いしたい、付き合いたいまではいかなくとも近づいてみたい、そういうのはなくとも理想の憧れの彼氏像や彼女像があって、そういう人とお付き合いしたい(その時はそのまま結婚して、子供を何人作って、死ぬまで一緒にいたい)というのが恋愛の甘さだったように思います。
青春ラブストーリーのイメージってそんな感じだったなと。
ところが、実際に意中の人とお付き合いしたり、結婚したりで長い間一緒にいると、相手の綺麗ごとだけじゃなくて、相手のいやな部分ばかりが目についてくる。
夫婦でいるとずっと仲が良いだけじゃなくて、喧嘩だってするし、いろいろ嫌なこともあります。決してテレビドラマやアニメみたいに甘い夢だけを見させてくれるものじゃないのが現実です。
そんな現実を傷を負いながら一緒に乗り越えたパートナーとのふとした時に思う
これが愛なんだろうな
という感じ。
どちらかが先にこの世からいなくなってしまうかもしれないけども、最後まで一緒にいたいなと思える相手。それが人間の最後の恋といえるのかどうかわかりませんが、長年の時を重ねてようやく仕上がった恋というのはこういうものなんじゃないかと今巻を通じて思いました。
いくつになっても恋愛してよいし、むしろ年を重ねた者同士の恋愛のほうがキュンキュンする青春ものよりも好きかもしれない。
そんなことを思いました。
なお、電子版はショートストリーの特典付きです
④こんな方にオススメ
・いろんな恋愛話を楽しみたい方
・熟練の恋愛って良いなぁと感じてみたい方
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⑤次の1冊にオススメ
①【クロエとオオエ】(有川ひろ)
今年、何回紹介するだろう?と思うほどに、恋愛ものを読むと真っ先に思い浮かぶ恋愛ラブコメといえば、この作品。
恋愛×仕事×宝石×大食。恋愛は年齢を重ねたほうがうんちゃらかんちゃらと言っておきながら、今のところ2025年のベストカップルはこれじゃね?と思う作品なので、是非おススメしたいです。
↓『クロエとオオエ』(有川ひろ)の感想レビューはこちら
仕事×ラブコメで最高のパートナーが爆誕【クロエとオオエ】(有川ひろ)の感想・レビュー – ジジの読書部屋
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②【わたしの知る花】(町田そのこ)
熟練の恋愛といえば、この作品。
恋愛ものというわけではないのですが、ワタツキの5巻を読み終えた後に、ワタツキの5巻みたいな恋愛がええなぁと思うようになったきっかけがこの作品で間違いがないと思っています。
一人の老人の生涯を追う話でもあり、これはこれで素敵な恋愛と感じる作品だなと思いますので、おススメです。
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