ダイヤモンドの輝きは永遠【紅茶とマドレーヌ】(野村美月)の感想・レビュー

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①あらすじ

 及川姫乃・四十一歳は、ある日いきなり没落した。

 会社を経営していた夫が、借金を残して失踪したのだ。女子校時代は学院のプリンセス、タワマン住まいで、ずっと専業主婦だったのに、高校入学を控える娘・笑里とどう生活していけば!?
 
 だが姫乃は途方に暮れている場合ではないと、得意の焼き菓子作りを活かし英国式ティールームを開こうと決意。

 娘や友人たちと支え合って泣いたり笑ったり……。

 香り高い紅茶ととびきりの焼き菓子が疲れた心をやさしく包み込む、温かく愛おしい物語。

※Amazon商品ページより抜粋しております

②読んだきっかけ

 『文学少女シリーズ』から、野村美月教の私。

 崇拝者な私は、野村美月先生の本が発売されたらとりあえず買う。そして、優先して読む!!

 ということをここ1年ほどやっております(読書から離れている時はノーカウントという緩めの人です)。

 それにしても、今年はツキワタシリーズの4巻目に、年始の書き下ろしに、本作品と3冊目?

 病気もしてなかなか体調的に大丈夫なの?と心配になるのですが、大好きなスイーツがまた別作品になって元気に過ごされているんだろうなと思いながら、購入いたしました。

③感想・レビュー

 ヒロイン姫乃の没落から始まる本作品。

 話は、小公女セーラになぞられているのかな?と思いつつ、読んでみると、没落から再生というのがテーマにあるように思います。

 その没落ですが、かつてはお嬢様学校のダイヤモンドプリンセスと呼ばれたヒロイン姫乃だけじゃなく、高校時代からの友達も子供を産んで家庭を築き、高校時代の輝きを失っています。

そう、没落は姫乃だけじゃないという点が、まず本作品の出発点なんだろうなと思います。

 ただし、ダイヤモンドプリセンスと呼ばれたヒロイン姫乃はもちろん、その友達達もなかなかに高校時代に輝きを放っていた人物たち。

 クラスの一軍女子どころか学年のあるいは学校の一軍女子がホコリを被ったくらいではもともとの輝きは衰えるわけもなく、もともとの輝きを取り戻すにはちょっとしたきっかけでまばゆい光を放てる彼女たち。

 高校時代、彼女たちほどの輝きはなかったかもしれないですが、同じ40代の私も、過去の自分の輝きとは別の輝きを放てるのにただ諦めていただけなんだなと思いました。

 嫌なこともたくさんあるし、仕事も良いことよりも悪いことばかりで面白くもないかもしれない。高校時代ではなくとも、学生時代あるいは若い時に輝いていたなと無敵だったと感じる時代を思い返すと、今の自分はとか、将来の自分は思うかもしれませんが、本作品を読んで、若さという輝きは確かに失ったかもしれないけども、きっと、今でも別の形で輝くことはできるし、それは未来も同じなんだろうなという気持ちにさせてくれる本作品。

 疲れたな、勇気が出ないなと感じた時は紅茶とマドレーヌで一息ついてみるのもよいのかもしれませんね。

④こんな方にオススメ

・野村美月先生大好きな方
・かつて自分は輝いていたなと感じている方
・何もかも諦めてしまっている方

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