①あらすじ
あるアイドルグループの運営に参画することになった、家族と離れて暮らす男。
内向的で繊細な気質ゆえ積み重なる心労を癒やしたい大学生。
仲間と楽しく舞台俳優を応援していたが、とある報道で状況が一変する女。
ファンダム経済を仕掛ける側、のめり込む側、かつてのめり込んでいた側
世代も立場も異なる3つの視点から、人の心を動かす“物語”の功罪を炙り出す。
※Amazonの商品ページより抜粋しております。
②読んだきっかけ
発売当初は全く何も気が付かず、ブ厚めの本が発売されたなと思った本作品。
発売して1週間くらいで気が付く。
日経新聞で連載された朝井先生の作品で、朝井先生作品の初読みはこの本が発刊されてから読もうと思っていたことを。
某俳優さんが亡くなった事件も出てきて、それを絡めてどんな話にするのかと思っていたので気になってました。
出遅れて初版では買えませんでしたが、読みたいと思った作品を読めました。
③感想・レビュー
「推し活」を作り出す側、のめり込む側、推し活相手を失った側の3者の視点が交錯していくストーリー。
内容もそうですが、登場人物たちが私の感想ですが、陰鬱かなぁと思いつつ、書かれている内容は、私にはあまり縁がない「推し活」の話だったのですが、
「推し活」だけの話じゃないよな?
と思いました。
ファンダム経済の話とはなっていますが、今の市場、この作品に書かれているようなことをやってると思います。
例えば、パチンコ。
たまに1万円で遊んでくれる人を100人集客するよりも、一日5万円以上をせっせと毎日使ってくれる人を10人集める方が収益が安定するよなぁ~…確かにと思いました。
客を育てるというかなんというか…
そういう意味では、あらゆる事象に共通することがいろいろと書かれているなと思いました。
日経新聞の連載だというのもあるのか?、今の時事ネタや過去の時事ネタが結構散りばめられている印象。
この辺りは、もしかすると『ワンダーランド急行』(荻原 浩)も時事ネタ満載だったので、日経新聞連載の特徴なのかもしれませんが。
その「推し活」ですが、おそらく私もアイドルや芸能人に向けているわけではないですが、こうやって読書のことを書いている以上、書籍や作者さんに対して「推し活」をやっているとも言えなくもないなと感じています。
自慢じゃないですが、本は新刊で購入するし、SNSでは好きな作家先生の投稿読んだりコメントしたり、新作情報を手に入れたり、サイン本を手に入れようとしたり。
推し活というにはまだまだ足りないかもしれませんが、好きなことに力を注いでいると感じています。
そういう自分がやってていいな、楽しいなと思えることがまさに程度の差はあれど「推し活」って誰でもやってること。
でも、のめり込み過ぎているかどうかというのは、いろいろすべてを失った後に気が付くものであるということを教えてくれる作品。
あなたは、本当にあなたの意思で推し活をできているのか?
世界を知った気になっているのはもしかするとあなたなのかもしれない。
④こんな方にオススメ
・推し活があると自信を持って言える方
・ファンダム経済の仕組みを知った気になりたい方。
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