①あらすじ
法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた。
弟が遺した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことに。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まっていく。
※Amazonレビューより抜粋しております
②読んだきっかけ
本屋大賞2025年のノミネート作品で、再生の物語だと知って、読みたくなりました。
③感想・レビュー
人の異常事態って人にどこに出てくるのか?
普段の態度に表れるのか、服装に表れるのか
私もそうなのですが、まず異常事態は家の中に表れます。
部屋を掃除できない、ご飯を作るのが面倒くさい、食器なんて翌日に洗ってしまえなどなど、実は異常事態は他人からは見えないところに潜んでいる。
本作品はまさにその部分にスポットライトをあてるという点が面白く、家事代行サービスという設定が上手くいきているなと感じます。
そして、家の中同様、他人の心は見えている部分だけではわからない。
いろんなことを秘めながら、皆生きているということを感じる本作品ですが、その秘めている理由は人それぞれ。
ただ隠したいだけというのもあるし、秘めていないと怒られるとか社会的な地位を脅かされるとか様々あるかもしれませんが、見た目だけで人は生きていないということを知ります。
そして、衣食住のうち、本作品は食と住が重要なものになっています。
確かに、衣は思えば、人が見せる部分ですから、本作品には合っていないかもしれません。
住んでいるところが片付いていて、食べ物が温かいということは想像しただけで幸せだなと感じる本作品。
生きるということはいつか死ぬということ。
どうせそうなるなら生きている間は幸せでありたいと願う。
でも、その幸せという漠然なことを思いながら、毎日労働に耐えて、悩みながら生きている。
そう思うと、生きるってなんなんだろうかと思うかもしれません。
生きるって辛いことなのかもしれませんが、でも、生活を快適にできることがある。
そう、それは
帰って休める家と、温かい食事をとるということ
帰って休むためには?、おいしい食事をとるためには?
自分でそれができないなら、どうやって実現するのか?
家事代行サービスというのはきっとそういうものなんだろうなと思いました。
私にも「カフネ」が必要かもしれない。
④こんな人にオススメ
・最近仕事に疲れている方
・身の回りことをおろそかにしてるなと感じている方
・生活を立て直すということに興味がある方
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