①あらすじ
“新しい”情報をお持ちの方はご連絡ください。
私、小澤雄也は本書の編集を手掛けた人間だ。
収録されているテキストは、様々な媒体から抜粋したものであり、その全てが「近畿地方のある場所」に関連している。
なぜこのようなものを発表するに至ったのか。
その背景には、私の極私的な事情が絡んでいる。
それをどうかあなたに語らせてほしい。
私はある人物を探している。
その人物についての情報をお持ちの方はご連絡をいただけないだろうか。
※単行本とは内容が異なります。ご了承ください。
②読んだきっかけ
読書メーターの登録冊数が次で444冊目という状況で
やっぱり、その数字に読むならホラーかな?
ということで、書店で探した結果、今読みたいなと思うものがなく、気になっていたのは2年くらい前に読んだ『近畿地方のある場所について』の単行本。
文庫版が今年の夏の映画化に合わせて出て、内容が違うということだったので、また読みたくなったら読むかとなっていたのですが、読む機会がなく…
思い立ったここで読まないともう読む機会はしばらくないだろうと思い、購入して読みました。
③感想・レビュー
単行本のネタバレ部分は大体覚えていたのですが、その時に読んだ資料みたいなオカルト雑誌の記事の寄せ集めみたいな内容を細部までは覚えてなかった私。
内容が異なりますと書いているので、資料も変わった?と思いましたが、読み進めれば読み進めるほどに思い出してきて、たぶん使われている資料部分は単行本と一緒(一部、こんなのあったかな?となりましたが…)だと思われます。
2年前に読んだきり単行本を読み返してなかったので、細部までは覚えてはいないものの、逆にそれはそれで新鮮な感じで読める作品。単行本の内容を完全に覚えてても面白いとは思いますが、私の感触は私がうろ覚えで読んだというのもありますが、
うろ覚えである程度のネタバレを知っているのが一番楽しめる
と思います。
というのも、初見で文庫本から読んで興味をもって単行本を読んでも単行本の不気味な感じが半減しそうなのと、完全に内容を覚えていて読むと、違いがはっきり分かりすぎるのではないか。
うろ覚えの状態だからこそ、
あれ?こんな記事あったけ?こんな話だった?
という疑心暗鬼の中で読めると思うので、私は単行本を読んでしばらく時間を置いて読むことをオススメしたいです。
本作を読んで驚いたのは、内容が違うのはもちろん、読んだときの印象が全然違うなと感じるところ。
単行本のほうは読んでいて、よくあるオカルト?でも、週刊誌のオカルト記事やネット掲示板のレス集めみたいで資料をひたすら読まされて、気持ち悪いというのか、変にいろいろな想像を掻き立てながら自分で自分の中の気持ち悪さを増幅していくような内容だったという印象。
本作はどちらかというと、登場人物も増えているように感じ、どちらかというと、悲劇感がでていたなと感じました。
単行本も思い返せば悲劇みたいといえば悲劇みたいなのですが、悲劇感は単行本よりも増して、物語性が増したなと感じました。
作品の肝心な部分を知って読んでも、一気読みしてしまったくらいには楽しんだ作品でございます。
④こんな方にオススメ
・単行本『近畿地方のある場所について』を読了済みで読了後時間が経過している方
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