①あらすじ
絵本作家として活躍する高城好子はかつて美弥子の継母だった。
漫画家のアシスタントを生業とする美弥子は、旅の誘いを受けて再会した好子が余命幾ばくもないと悟る。
共同制作したいという好子の望みを叶えるため、 “母”と“娘”は湖畔のホテルで絵本『あお』の構想を深め合う……(「青い絵本」)。
作家、編集者、セラピスト、書店員――さまざまな形で絵本に関わる人々が、絵本を通じて過去と対話し再生する姿を、静謐な筆致で紡ぎ出す。
※Amazonの商品ページより抜粋しております。
②読んだきっかけ
書店で見かけた時に、表紙が部屋に砂浜があって波打ち際で富士山?となった本作品。
そんなに分厚くもない本なのですが、何か物凄く気になって。
2024年の11月頃に購入して、積読や読みたい優先度からなかなか手が回らなかったのですが、買ってからも気にかけていて、やっとこの度読む順番が回ってきたなという感じで読みました。
③感想・レビュー
読んでいて、「絵本」、「再出発」をお題にしたのではないか?と思うほどに、登場人物たちの共通点がこの2つという不思議な短編集。
各短編それぞれに刺さる部分があって、短いなと思うことはあまりありませんでした。
とはいえ、約150ページ程の作品。この価格で150ページかぁと思うのか、良い150ページだと思うのかというところですが、私は読んでよかったなと感じた作品です。
この良さをどう説明して良いのか。
笑いがあるわけでも、どちらかというと静かだなと感じる作品。
眺める景色は、曇り空ではなく雨が降ったあとや雨が降りそうな後の青空という感じ。
本当に雲一つない青空だなと。
読みながらそんなイメージが湧くなと感じた本作品。
まさにタイトルのようにあるいは表紙のように感じる作品だなと思います。
各短編、刺さるなと感じるところが多いのですが、特にリアリティはフィクションを通じてみるものだというようなことを書かれていた「いつもどおり」が個人的には好きです。
ただ、150ページ程度の本で慌てて読み終えるというよりは、じっくりと読んで頭の中の青空を感じてほしいなと感じました。
その青空は日が照って暑い夏なのか、木枯らしが吹く冬なのか、暖かくなってきた春の陽気なのか、それを自由に感じ取れる作品だなと思いました。
そう思うと、表紙の絵は、本作品にぴったりな表紙だなと感じます。
④こんな方におすすめ
・読みながら心の青空を描いてみたい方
・読書の世界に何も考えずゆっくりと浸りたい方
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