ナイフだって魔法に変わる。魔法って何だろうか?【あんずとぞんび】(坂城良樹)の感想・レビュー

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①あらすじ

 神様に見捨てられた私を助けてくれたのは、同じアパートに住むゾンビのおじさんだった。

 川をはさんだ向かいの町に、母と引っ越してきた小学生のあんず。いじめられていたあんずを助けてくれたのは、同じアパートに住むぞんびのおじさんだった。

 孤独を受け止められないあんずと、孤独とともに生きるぞんびのおじさん。

 お互いの存在が、それぞれの人生へのかすかな光となる。

 ※Amazon商品紹介ページより抜粋しております。

②読んだきっかけ

 ゾンビといえばとりあえず読んでみたい!という私が、タイトルをみて興味が湧かないはずもなく、ゾンビ!!もうこの時点で最高じゃないか⁉

 というわけでもなく、単に作者のデビュー作だという単純な理由で購入。

 もちろん、タイトルに惹かれたというのもあるのですが、まさか、本当にゾンビが出てくるわけないでしょ?

③感想・レビュー

 まさか本当にヒロインの小学生であるあんずが知り合うおじさんが「危なくない方」とはいえ、本当にゾンビだとは思わなかった作品。

 ゾンビみたいな生き方をしているおじさんだと思っていました、ガチのゾンビが出てきます。

 あんずたちが生きている世界は、某中〇民国で発生したウィルスが世界にまん延し、ゾンビパニックなるパンデミックが発生した世界。

 幸いゾンビたちは制圧したものの、ゾンビウィルスに感染したもののうち、言語は話せる、コミュニケーションはとれるという人たちは隔離から解放され、平和が訪れた街に溶け込んで生活をしているという状況。

 ウィルスに感染して、社会になんとか溶け込んでいるゾンビな方々をあんずは「危なくない方のぞんび」という呼称で呼んでいる。そんなぞんびのおじさんがあんずと同じアパートに住んでいることをヒロインのあんずは知り、あることをきっかけにそのぞんびのおじさんとコミュニケーションをとるようになり、それをきっかけにあんずの世界は広がっていきます。

 本作品の特徴だと思っていることは、ヒロインが最後「魔法」をはなつのですが、その魔法を使えるようになるまでに、ヒロインにこれでもかというほどに修行や試練ともいえるようなしんどい体験をさせて、魔法を輝かせたというか威力を強めさせていることかなと思います。

 確かに、魔法を使うにはそれ相応のことをする必要があって、作品の魔法に至るまでの道中のことが無かったら、本当にただの小学生がきれいごとを言っているだけというだけで終わる話なのですが、あんずとぞんびのおじさんに試練を与えることで、読者まで魔法にかかったような気がする。

 そのかわり、物語に入り込めば入り込むほどあんずが受ける試練という名の理不尽をみているのは辛くなることになるのですが…

 その試練をあんずとおじさん、そして読み手が乗り越えることで最後のあんずのはなつ魔法を共に見届けませんか?

 読後はそんなことを感じた作品です。

④こんな方にオススメ

・あんずのはなつ魔法を共に見届けてみたいと思った方
・ぞんびという言葉に異様に反応してしまう方
・「ナイフだって魔法にかわる」という意味を確かめてみたい方

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