①あらすじ
恋人もおらず仕事も冴えない三十九歳の由鶴の支えは一千万円の貯金だけ。
家族から家の購入を勧められる中、片思い中の”宇治”とは3月で会えなくなることを知り……。
恋・お金・家、彼女が選ぶ人生とは。
※Amazonの商品ページより抜粋いたしました
②読んだきっかけ
いつも通り、私らしく、店頭で陳列されているの見て、興味が湧いて。
どこに興味が湧いたかというと、タイトル
「あなたの四月を知らないから」
というタイトルが、妙にお洒落だなと。
帯を読んでもデビュー作としかわからないのですが、四月というと、嘘とか隠れている部分のことだろうなと思ったし、もしかしたら、3月に別れた恋人の話なのかも?などなど、なかなか想像力が働いたので、こういうタイトルええなぁと思いながら、手に取ってみました。
③感想・レビュー
大阪が舞台で関西のお話。
前編が、セラピストの宇治に片思い中の39歳女性(会社員)の由鶴視点の由鶴が宇治に見せない日常のお話を、後編はセラピストの宇治が利用者たちに見せない日常のお話という感じ。
1千万円の貯金がある独身女性だったり、女性専用の風俗のセラピストの男性だったりと、世間一般といわれるとどうか?というものはあるものの、それぞれの日常が描かれているなと感じております。
なぜ、こんなこと書くかというと、本作品、読み終えてみて思うのは、何を書いている作品なのか?というと、私は正直、答えることが難しいなというのが率直な感想だったので、本作品がどんな作品かと答えるのが私には難しいなと感じたからです。
読んでいて、本作品の登場人物を通して、自分自身の日常と比べたり共感したりして読んでいるなと気づき、
もしかしたら、本作品は、特別ではない特別な日常を描いているのではないか?
と思うようになりました。
私が普段過ごしている日常って、他人からみたら、そんなに大した日常じゃないように思いこんでいます。
ただ、その大したことではない、あるいは特別でもないといういわゆる普通の日常って、もしかして普通じゃないのではないか?という風に感じてくる本作品。
本作品の由鶴にとっては、1000万円を貯金しているということ以外に大したことはないと思ってるかもしれないけれど、冒頭で女性専用の風俗を利用するという、なかなか他の方にはないことやっているし、家族や友人などとの交流なども平々凡々というわけではなさそう。どちらかというと羨ましいと思うような人もいるんじゃないかと思うほどに、日常は充実しているのではないかと感じました。
そして、私の日常も実は私が満足してないだけで、実は私が由鶴に対して感じたような日常への充実感や特別感は私も他の人から思われているのかもしれない。
そう、結局普通の日常というのはないのではないか?
そんなことを思った作品です。
めちゃくちゃまじめなことを書きましたけど、ただ、本作品の読みどころで外せないなと個人的に思っているのが、宇治の章の
「赤ちゃんプレイお化け屋敷」
このくだりだけは、声出して笑った、お腹かえて笑ったくらいに面白かったです(笑)
このくだりを読めただけでも、本作品を読んだ価値があった!!と思うくらいに。
是非、本作品を読むのであれば「赤ちゃんプレイお化け屋敷」の下りまでは読んでいただきたい。
詳しいことは語らないですが、本作品の感想、これに極フリしようと思ったくらいに本当に面白かったです。
④こんな方にオススメ
・自分の日常を見つめ直してみたい方
・「赤ちゃんプレイお化け屋敷」が気になって夜も眠れない方
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