猫のかわいさは最高の処方箋?【猫を処方いたします】(石田祥)の感想・レビュー

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 猫、かわいいよ、猫……。

 今回は石田祥さんの『猫を処方いたします』を読みました。

 タイトルも気になりますが、何より表紙がめちゃくちゃかわいい!!

 そんな理由で手に取った作品なのですが、読み終えてみると、猫のかわいさだけではないはちゃめちゃな内容なのに魅力がありました。

 悩みを抱えた人たちが処方された猫と過ごすことで、少しずつ変わっていく。

 そして、猫に癒やされること以上に、誰かに悩みを打ち明けること自体に意味があるのではないかと考えさせられる作品でした。

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①『猫を処方いたします』の作品紹介・あらすじ

 京都にある、ちょっと変わったクリニック。

 住所もへんてこで、悩みを抱えた人が訪れると、医師から処方されるのは薬ではなく、なんと猫。

 戸惑いながらも猫を連れて帰る人たちは、猫との生活を通して少しずつ変わっていきます。

 果たして、猫は人々の悩みを解決してくれるのでしょうか。

 そして、この不思議なクリニックにはどんな秘密があるのでしょうか。

②『猫を処方いたします』を読んだきっかけ

 本作を読もうと思ったきっかけは、何といっても表紙です。

 タイトルも面白いのですが、それ以上に表紙が処方箋の中に入っている2匹の猫!!それはお前反則だろ?と思いましたとも、ええ…

 いわゆるジャケット買いをした作品です。

 猫が好きな人なら、表紙を見ただけでも手に取ってみたくなること間違いなし。

 もちろん、私もそんな一人だったというわけですよね…

③『猫を処方いたします』の感想・レビュー

(1)猫のかわいさは、もはや薬なのでは?

 本作では、猫を処方された人たちが、猫に興味はない、なんなら猫をいきなり渡されて迷惑だと思っているのに、猫と過ごしていくと驚くほど猫に夢中になっていきます。

 そして、猫に夢中になるのは本人だけではありません。

 処方された人の周囲の人たちまで、いつの間にか猫の魅力に引き込まれていきます。

 読んでいると、猫の持つ力は本当にすごいなと思いました。

 猫を見ているだけで癒やされる。

 何なら私も猫に癒やされたい。

 猫は薬なのではないかと、本気で思ってしまうくらいです。

 猫、かわいいよ、猫……。

(2)猫を飼うことの大変さも描かれている

ただ、本作は猫のかわいさだけを描いた作品ではありません。

 猫を飼うということは、一つの命を預かるということでもあります。

 世話をする大変さもあれば、飼い主の事情によって飼い続けられなくなる現実もあります。

 また、動物と暮らす以上、いつかは必ずお別れしなければならないという悲しさもあります。

 本作では、そんな動物を飼うことの責任にも触れられています。

 かわいいから飼う

 それだけでは済まないということも、伝わってくる作品です。

(2)本当の処方箋は猫だけではないのかもしれない

 本作を読んでいて、特に印象に残ったのがこの部分です。

 心療内科のような場所に助けを求め、誰かに悩みを打ち明けた時点で、悩みの一部はすでに軽くなっているのではないか。

 私はそんなことを感じました。

 本作における猫は、ある意味でスパイスなのかもしれません。

 人づてに聞いた怪しいクリニックであっても、そこを訪れて自分の悩みを打ち明ける。

 それだけでも、少し気持ちが軽くなることはあると思います。

 そして、連れて帰った猫の世話をするために、部屋を片付けたり、仕事から早く帰ったり、周囲の人に助けを求めたりする。

 猫を中心に生活が変わり、少しずつ自分自身の生活も立て直されていく。

 猫が直接悩みを解決しているというよりも、猫と暮らすことが、生活を変えるきっかけになっているように感じました。

 動物を飼うことには大変さもありますが、確かに動物との暮らしにはセラピーのような側面もあるのだと思います。

④少し気になったところ

 本作の設定は、悩みを抱えた人に猫を処方するという、かなり変わったものです。

 物語としては面白いのですが、突拍子もなさ過ぎてついていけないという方もいるかもしれない。京都は舞台でもどこか現実味のないファンタジーでもあり、無責任に猫が処方されているように見えるとコメディの範疇を超えているのではないか?と思う可能性は確かにあるなとは思います。

 ただ、本作はそうした現実にも触れているので、単純に「猫を飼えば悩みが解決する」という物語にはなっていないと思います。

⑤『猫を処方いたします』はこんな人におすすめ

  • 猫が好きな人
  • 猫が登場する小説を探している人
  • 心が温かくなる物語を読みたい人
  • 日常に疲れたときに読める小説を探している人
  • 動物と人間の関係について考えてみたい人

 特に、猫が好きな方にはおすすめしたい作品です。

 表紙を見て「かわいいな」と思ったら、それはあなたが表紙だけでなく癒されるチャンスだと思って、用法用量に従い、是非購入して読むことをお勧めいたします。

⑥まとめ|猫は最高の処方箋なのかもしれない

 『猫を処方いたします』は、猫のかわいさに癒やされながらも、人が悩みと向き合い、生活を変えていく姿が印象に残る作品でした。

 猫がいることで、誰かとのつながりが生まれたり、生活を見直すきっかけになったりする。

 そして、悩みを誰かに打ち明けることもまた、大切なのだと思いました。

 猫のかわいさだけでなく、動物と暮らすことの大変さにも触れられているところがよかったです。

 とはいえ、最後に言いたいことは、やっぱりこれです。

 猫、かわいいよ、猫……。

 猫好きの方には、ぜひ読んでみてほしい一冊です。

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