【東大理三の悪魔】(幸村百理男)感想・レビュー

①あらすじ

 東京大学理科三類に通うノボルは、東大模試で異次元の点数を叩き出し、その後理三に合格した天才・間宮と出会う。

 彼は間宮と交流を深めていくうちに、天才の圧倒的な世界観に魅了され……。天才とは何か、この世界に隠された秘密とは?

※Amazon商品ページより抜粋しております

②読んだきっかけ

 私の恒例ともなっている、店頭に平積みされていたのをたまたまみて。

 ちなみに、『東大理三の悪魔』というタイトルをみて、東京大学理科三類?医学部の悪魔?的な読み方をして、ヤバい医者がサイコパスなお話なのかなと想像して手に取りました。

 前情報なしでタイトルだけで選ぶので、こういうタイトルから勝手に想像して読むということが多々あります、はい…

③感想・レビュー

 読んだきっかけに書いたように、本作品をタイトルから東大出の医学部の主人公がサイコパス系でヤバい話を想像していた私。

 もしかすると、私と同じようなことを思って読んでみようと思われた方もいるかもしれません。

 しかし、そんなサイコパスな主人公でもないし、医療ミステリーという話でもありません。

 神童でも何でもなかった主人公ノボルが、中学生の時、ある日突然世界の理(ことわり)に気がついてから見ている世界がかわり、東大に合格し、更なる天才と出会い世界の秘密に巻き込まれる話です。

 サイコパスな医者など一人も出てこないことをお伝えいたします。

 そして、本作品ですが、知的エンターテイメントと帯に書かれているように、基本的には主人公のタジマノボルと間宮惣一など登場人物の対話で世界の秘密を解明していくというものです。

 その会話の内容は論理的でもあり抽象的ですし、SFでもありファンタジーな話でもあります。

 数学というか論理というのが前提となっていて

 AならばB、BならばC、ゆえにAならばC

 という論理式が前提。

 これを1次元(A、B、Cは直線上の点に過ぎない)としてとらえ、1次元を理解することで2次元へ、それを実感・体感すると3次元、さらにその3次元に感情が伴えば4次元にというように天才たちの言葉遊びをきいているような感覚になるお話です。

 ちなみに、上記はあくまで私の本作品を読んでの理解なので間違っているかもしれません。

 ただ、こういう論理式みたいなものや数学の話がでてきたりなのですが、文系の私でも面白く読めました。

 数式アレルギーとか論理の小難しい話は…という方は前半で挫折すると思うし、私のように論理式?とか抽象的な話で世界の秘密を暴くぞというのにワクワクするような人間は大好物なお話だと思います。

 ただし、本作品の話をワクワクしながら読んでも、本作品のあらすじや何が面白かったのかという説明をするのは容易ではないなと思うほどに、小説を読んだという感覚は正直読後にはなかったです。

 でも、500ページに及ぶ世界の秘密や宇宙に関する話はめちゃくちゃ面白く、読んで良かったなと思えた本作品。

 試し読み推奨ですが、試し読みで、面白いかもと思えた方は最後までその気持ちを保ったまま読み終えることができると思います。

④こんな方にオススメ

・論理、抽象論大好きな方
・世界の秘密、宇宙に関するファンタジーを体験してみたい方

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