【二人一組になってください】(木爾チレン) 感想・レビュー

①あらすじ

 「このクラスには『いじめ』がありました。それは赦されるべきことではないし、いじめをした人間は死刑になるべきです」
とある女子高の卒業式直前、担任教師による【特別授業(ゲーム)】が始まった。突如開始されたデスゲームに27人全員が半信半疑だったが、余った生徒は左胸のコサージュの仕掛けにより無惨な死を遂げる。
自分が生き残るべき存在だと疑わない一軍、虚実の友情が入り混じる二軍、教室の最下層に生息し発言権のない三軍――。

本当の友情とは?
無自覚の罪によるいじめとは何か?
生き残って卒業できるのは果たして誰か?

※Amazon商品紹介レビューより抜粋しております

②本を手に取ったきっかけ

 もともとタイトルから気になっていた作品。話題にも上がっていたのですが、なかなか手を取る機会がなくいつか読もうと思っていました。

 しかも、私が好みのデスゲーム感もあるらしいと聞いていたし。

 2024年のクリスマス間近になって期間限定カバーになって、こういう機会でもないとなかなか手が伸びないぞと思い、購入いたしました。

③感想・レビュー

 いじめとクラスカーストを背景にしたデスゲームですが、細かいルールや状況は本作を読んでいただければと思うのですが、そのグロさ的なところをお伝えすると、

 グロそうに各生徒たちが亡くなっていくのですが、そんなにグロくは感じないなと思います。

 また、デスゲーム部分は、現実的ではないなと思います。

 たとえば、どうやってルールを判定しているのか、いつゲームオーバーの生徒を判定しているのかという、判定部分は気になるし、なんで亡くなり方がそれぞれ違うというか、その生徒に合ったような亡くなり方になるのかわからない。

 そして、このルール読むだけで、最低でも生き残るなら1人は確実に生き残ることが確定してしまうのがわかるということ。

 というように、デスゲーム部分はなかなか荒技でぶった切ってくるなと思う部分は多かったです。

 こう書いてしまうと、デスゲームよね?面白くなかったの?

 となりそうなのですが、そんなことはございません。

 緻密なデスゲームを求め読むというならば別でしょうが、デスゲームらしく、生き延びるためにクラスカーストの中での人間模様というのがゲームを通じて生々しく見えてくるのですが、その生々しさを各登場人物を通じてわかってくるというのが面白かったです。

 読んでいて、まず思うのはクラスカースト。

 私が中学生とか、高校生の時にはどうだったのか?というと、思い当たることがなくて、そんなものあったかな?という感じ。

 でも、よくよく思い出してみれば、クラスのあの人は人気あるし、あの人と話したり関わると自分も同じようにみられるのではないかと思うこともある。

 特にいじめられてる子については、私も見てみないふりをしていましたし。

 そう思い出してみると、本作のように1軍、2軍、3軍という明確なピラミッドは見えていなかったのですが、確かにあるよなぁと思いました。

 そして、本作はまさに、いじめとは何かという点で、私も自分が見て見ぬふりをしてきた側ですが、見て見ぬふりもいじめだなということを改めて感じます。たとえ、それが自分を守るためだとしても。

 ただ、その見て見ぬふりが許されないかは別として。いじめを見過ごせないから助けて立ち向かう勇気のある人なんていませんから。

 と、脱線しましたが、話を戻すと、じゃあ、無視といういじめがある27人のクラスで二人一組になって余ったら死亡というデスゲームを繰り返し、最後に1人もしくは2人をが残るという場合、そのカーストであるピラミッドはどこから崩れていくのでしょうか。

 そして最後に残るのはピラミッドの頂点なのか、底辺なのか。

 そのピラミッドが崩れていくという過程で、様々な登場人物たちの心情や人間模様を見ることができる作品だと思います。

④こんな方にオススメ

・グロくはない人間模様満載のデスゲームを読みたい方
・クラスカーストが崩れるというのがどんなの?と興味のある方
・JKの武器のない殺し合いを読んでみたい方



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感想(1件)

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